リュナン |
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「オイゲン
帝国はいつの間に
こんな城壁を築いたんだ」 |
オイゲン |
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「私も初めて知りました
ハルファ峠は砂漠の要地
そこにこれだけ
堅固な城壁を築かれては
並たいていのことでは落とせませぬ」
「正面からぶつかるか、砂漠に迂回して
南方の砦を制圧するか
方法は二つに一つでありましょう」 |
リュナン |
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「砂漠への迂回か……
いずれにしても
面倒な戦いになりそうだな……」 |
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トマス |
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「シモン、戻ったのか
ゼップは何と言っていた?」 |
シモン |
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「話にならん
功に焦って自滅したいらしい」 |
?? |
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「いいじゃねえか、勝手にやらせとけば
両軍が消耗したところで
俺たちが出ればいい」 |
シモン |
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「まあ、そういうことだな
ところでトマス
マルコの姿が見えないようだが?」 |
トマス |
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「弟は娘を村に送っていった
戦いに巻き込まれては
かわいそうだからと……」 |
シモン |
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「ああ……
砂漠に倒れていたあの娘か……
たしかレティーナとか言ったな
旅の神官のようだったが」 |
ピリポ |
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「へへっ
マルコはあの娘に惚れているのさ
砂漠で見つけてから
必死で看病していたからな
まあ、あれだけの美人だ
無理はねえよな」 |
シモン |
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「……」 |
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マルコ |
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「ではお願いいたします
この金貨で彼女においしいものでも
食べさせてあげてください」 |
老人 |
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「承知いたしました
娘さんは大切にお預かりいたします」 |
マルコ |
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「レティーナ
私はもう行かねばならない
わずかな間だったけど楽しかった
君と巡りあえた事を女神に
感謝している……」 |
レティーナ |
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「ありがとう……」 |
オイゲン |
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「もう二度と会う事も無いだろうが
君の幸せを祈っている……
クライスもきっと君を探している
彼を信じて待っているんだ」 |
レティーナ |
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「はい……」 |
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ナルサス |
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「ぜえぜえ……
なんだよ、この砂漠は……
右も左もわからねぇじゃねえか」
「このあたりには、貴重なお宝が
ゴロゴロしてるって聞いたけど
このままじゃ見つける前に
干物になっちまうぜ」
「ううっ……
だれか、水をくれよぉ……」 |