リュナン |
|
「……オイゲン、西の空から何か来る!」 |
オイゲン |
|
「ふむ……あれはペガサス……
リーベリアでは
サリアの清浄なる森にのみ
生息するという天馬ですぞ」 |
マーロン |
|
「うむ、間違いない
あれは、ペガサスナイト……
しかしペガサスを操れる者など
ウエルト軍にはいないはず……」 |
エンテ |
|
「……あれは……マーテル!?」 |
リュナン |
|
「知っているのか、エンテ?」 |
エンテ |
|
「はい……」 |
マーテル |
|
「……エンテ様!
よかった、ご無事でしたか」 |
オイゲン |
|
「失礼だが、どなたですかな?」 |
マーテル |
|
「申し遅れました
私はサリアの騎士マーテル
エーゼン老師の命により
エンテ様をお迎えに参りました」 |
オイゲン |
|
「エンテ殿は我らが神殿まで
お届けするつもりでおりましたが
天馬騎士のお迎えがあるとは驚きましたな」
「で、あなたの天馬にエンテ殿も乗せて
一緒に戻られると?」 |
マーテル |
|
「ええ、私たち二人くらいなら
アイビスも我慢してくれます」 |
オイゲン |
|
「ふうむ……」 |
マーテル |
|
「?……」 |
オイゲン |
|
「……ちと無理ではありませぬか?
あなた一人でも大変でしょうに……」 |
マーテル |
|
「えっ?……」 |
エンテ |
|
「……マーテル、私なら大丈夫です
一人で戻れますから」 |
マーテル |
|
「でもエンテ様……」 |
オイゲン |
|
「我々もエーゼン老師にはぜひ
お目にかかりたいと思っております
マーテル殿、一緒に行きましょう
我々に遠慮はいりませぬぞ」 |
マーテル |
|
「はい……
ではお言葉に甘えて……」 |
オイゲン |
|
「それはよいご判断
となれば、まずはこのグラムの森を
突破せねばなりませぬな
天馬騎士は貴重な戦力ゆえ
我々としてもありがたい」 |
リュナン |
|
「オイゲン、彼女はなにも……」 |
オイゲン |
|
「公子、今は一兵でも欲しいとき
マーテル殿も嫌だとは申されますまい」 |
マーテル |
|
「はい……
私でお役に立てるのなら……」 |
リュナン |
|
「すまない、マーテル
オイゲンは強引だから……」 |
マーテル |
|
「いえ、いいのです
私の使命はエンテ様を見守ること
シスターがあなた方と共にある限り
喜んで協力いたします」
「エンテ様もよろしいですね?」 |
エンテ |
|
「ええ、マーテル
どうかリュナン様のお力に……」 |
マーテル |
|
「リュナン様?……
ま、まさか……この方が?……」 |
エンテ |
|
「……」 |
|
メル |
|
「ロジャー、考え直して!
話し合えばわかることなのに
どうして戦わなければならないの!」 |
ロジャー |
|
「マーロン伯は他国の軍隊と手を組み
ウエルト王国に反乱を企てた
私は主君の命に従い
彼らを討たなければならない……」 |
メル |
|
「反乱を起こそうとしているのは
コッダ宰相でしょう!
そんなことくらい、あなただって
わかっているはずなのに……」 |
ロジャー |
|
「……」 |
メル |
|
「ロジャー!」 |