TALK
会話 
(MAP02)



闘 開 始 時

長老
「ジュリアさん、本当に大丈夫かの?」
ジュリア
「ええ、なんとかやってみます」
「村の人たちには親切にしてもらったし
 シスターエンテには命を救われました
 せめて私にできることで
 ご恩返しをしたいのです」
長老
「そうか……決心は固いようじゃの
 ならばこの必殺の剣をお持ちくだされ」
ジュリア
「これは?
 ……キルブレード!
 このような高価なものを私に!?」
長老
「旅の商人が置いていったものじゃが
 この村には扱えるものがおらぬ
 ジュリアさんなら使えるじゃろ」
ジュリア
「はい、この剣さえあれば
 山賊など敵ではありません!」

バーツ
「シスター、大丈夫か?」
エンテ
「は……はい……」
バーツ
「だけどシスター
 お人よしにもほどがあるぜ
 いくら病気で困っているからと言って
 山賊のアジトまで一人で行くなんて
 まったく無茶な話だぜ」
エンテ
「あの方は本当に危なかったのです
 もう少し遅ければ
 命を失っているところでした」
バーツ
「だけどさ
 元気になったら急に態度を変えて
 シスターを牢に閉じ込めたわけだろ
 あのヤーザムのやりそうなことだ」
エンテ
「ヤーザム?……」
バーツ
「トーラス山賊のボスさ
 シスターが救ったのは
 数ある山賊の中でも
 一番下劣で残虐な男なんだ」
エンテ
「ごめんなさい……
 でも……」
バーツ
「ああ、わかってるさ
 困っている者がいたら
 まずは助けよというのが
 エーゼンバッハ師の教えなんだろ」
「えっと……
 確かマルス神殿の大神官だったよな」
エンテ
「はい、そして水を司る神
 マルスの教えでもあります」
バーツ
「ふーん……
 でもシスターは偉いよなぁ」
「俺の妹と同じくらいの歳なのに
 あいつとはぜんぜん違う
 しっかりしてるというか……
 たくましいというか……」
「何も恐れず、何も求めず……
 一体どうしたらそんなに強くなれるんだ?」
エンテ
「私は強くなんてありません!!
 私は……ただ……」
バーツ
「あっ、ごめん!
 オレ、なんか
 ヘンなこと言っちゃったかな……」
エンテ
「あ……いえ……
 なんでもありません」
バーツ
「そうか、ならいいんだけど」
「やべぇ
 のんきに話している場合じゃないぜ
 山賊どもが追ってきやがった」
「シスターはオレの後ろに隠れていろ
 ここは一本道だ
 下手に動くと囲まれちまう!」

ラフィン
「公子、南に見えるのがトーラス村だ
 山賊たちのアジトは西の方角にある」
リュナン
「それで開拓村の様子は?」
ラフィン
「今はまだ無事のようだ」
リュナン
「どうしてわかるんだ?」
ラフィン
「奴らは略奪してから火をつける
 襲った村には何一つ残さないのが
 トーラス山賊のやり方だ」
リュナン
「酷い奴らだな……
 僕たちも遠慮はいらないという事か」
ラフィン
「無論だ
 奴らには相応の報いを与える
 目には目を、歯には歯をだ」
リュナン
「大人しく降伏しても殺すのか?」
ラフィン
「俺たちが許しても村人は承知しない
 家を焼かれ、親兄弟を殺されて
 ごめんなさいではすまないだろう」
「奴らも
 捕まれば殺されるとわかっているから
 絶対に降伏はしない」
リュナン
「泥沼だな……」
ラフィン
「公子、このあたりは豊かな中原ではない
 辺境の人々の暮らしは過酷だ
 食べるものが無くなれば
 男は妻子を養うために山賊になる
 襲われた村の男たちもまた山賊になる」
リュナン
「その連鎖を断ち切るためにも
 村は守れということか……」
「よし、まずは足の速い騎兵を村に送る
 アジトに向かうのはその後だ」




点 制 圧 後

リュナン
「山賊たちは逃げ出したようだな」
オイゲン
「トーラス山には無数の洞窟があるそうです
 多分、そちらに逃げ込んだのでしょうな」
リュナン
「もうすぐ日が暮れる
 このまま追うのは危険だろう」
オイゲン
「まあ、これだけ痛めつければ
 しばらくは悪さもできませぬ
 よろしいではありませんか」
リュナン
「そうだな、ヴェルジェも心配だし
 そろそろ戻ろうか……」
オイゲン
「……リュナン様、例のシスター
 エンテ殿とか申されましたが……」
リュナン
「彼女がどうかしたのか?」
オイゲン
「マルス神殿に戻るというお話でしたが
 お一人では危険ゆえ
 我らが軍で保護することにいたしました」
リュナン
「うん、そのほうがいいな
 戦いに巻き込まれてはかわいそうだ」
オイゲン
「しかしリュナン様……
 エンテ殿は実にお美しい方ですな」
「あれほどの女性を見たのは
 このオイゲン
 齢60にして初めてでございます」
リュナン
「そうかな
 僕にはよくわからないが……」
オイゲン
「それが真なら、リュナン様ももう少し
 女性を知る努力をせねばなりませぬ
 いずれはラゼリア公国の当主として
 立派な奥方を迎えねばならぬのです
 サーシャ様のことといい
 エンテ殿のことといい
 そのような朴念仁では
 女性方に嫌われますぞ」
リュナン
「オイゲン、こんなときに
 何をバカなことを言っている
 ヴェルジェに戻るぞ!」
オイゲン
「はっ……」



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