サーシャ |
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「リュナン様、おかえりなさい!」 |
リュナン |
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「サーシャ?
待っていてくれたのか」 |
サーシャ |
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「ええ、マーロン伯は
大丈夫だと言ってくれたけど
やっぱりお顔を見るまでは安心できなくて」 |
オイゲン |
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「私めも無事帰ってまいりましたぞ」 |
サーシャ |
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「オイゲン将軍も
お元気そうでなによりだわ」 |
オイゲン |
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「ありがとうございます
で、マーロン伯はどちらに?」 |
サーシャ |
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「伯爵は館でお待ちです」 |
オイゲン |
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「ならばリュナン様
早速軍議を始めましょうか」 |
リュナン |
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「そうだな、コッダの動きが気になる
サーシャもリーザ王妃のことが心配だろう」 |
サーシャ |
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「ええ、それはもう……
一日も早くお会いしたい……」 |
オイゲン |
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「サーシャ様、ご安心なされませ
宰相と言えども王妃様には手を出せませぬ
そんなことをすれば
国中を敵に回すことになりますからな」
「母君は我らが責任を持って
お助けいたします
今しばらく辛抱くださいませ」 |
サーシャ |
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「ありがとう
どうかお母様のこと
よろしくお願いいたします」 |
オイゲン |
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「ははっ、この剣に誓って……
ではリュナン様、館の方へまいりましょう」 |
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マーロン |
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「リュナン様
トーラス村での勝利は聞きました
さすがは戦い慣れたラゼリアの軍勢と
我が家臣や領民も心強く思っております」 |
リュナン |
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「いえ、すべては
ヴェルジェ軍の力によるものです
我らの未熟を思い知りました」 |
オイゲン |
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「さようですな
特にラフィン殿の剣技はすばらしい
まるで若き日の私を
見ている様でありましたぞ」
「あのようなご子息をお持ちとは
伯爵も心強いことですな」 |
マーロン |
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「いや……
ラフィンは私の実子ではないのです」 |
オイゲン |
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「は?
と、申されますと?」 |
マーロン |
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「彼は滅亡したバージェ王国の騎士です
彼の亡父が私の友人であったため
5年前に我が国に亡命してきました
友人の恩に報いるため、養子として
預かることにしたのです」 |
オイゲン |
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「さようでしたか……」 |
マーロン |
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「つまらぬ事を申しあげました……
それではリュナン様
軍議を始めましょうか」 |
リュナン |
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「コッダ軍の動きは
どのようになっているのですか?」 |
マーロン |
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「ウエルト王宮を出た騎士団が
この砦に向かっておるそうです
兵力はわかりませんが
主力部隊ではありますまい」 |
リュナン |
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「マーロン伯、ここは迅速に
打って出るべきだと思います
コッダ軍の準備が整わないうちに
各個撃破をいたしましょう」 |
マーロン |
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「私も同感です
最初の一撃あれば、日和見の諸侯らも
サーシャ王女に帰順いたしましょう」 |
リュナン |
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「では出陣を?」 |
マーロン |
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「はい
明朝、ウエルト王宮へ向けて
出陣いたしましょう」
「ここに1万Gございます
城下で新しい武器などを購入し
配下の兵士たちにお与えください
明朝の出陣にあたっては
わたくしも同行いたします」 |