TALK
会話 
(MAP01-02)



エ ル ト 王 宮

コッダ
「リーザ王妃様、ご機嫌は如何でしょう
 至らぬことがあれば、なんなりと
 このコッダにお申しつけ下さい」
リーザ
「伯爵、私をいつまでこのような部屋に
 閉じ込めておくつもりなのです
 ロファール王の家臣として
 恥ずかしくはないのですか」
コッダ
「いえ……これは……」
リーザ
「聞けば
 あなたは帝国に和を請うつもりだとか
 そのようなことをロファール王が
 お許しになると思いますか
 あなたは王が帰国されたら
 どのように弁明するおつもりですか?」
コッダ
「リーザ様、まことに残念ではありますが
 ロファール王はすでに亡くなられたのです
 私は宰相として、この国を守らねば
 なりませぬゆえ……」
リーザ
「王はご存命です
 妻である私にはわかるのです……」
「コッダ伯爵、民を苦しめるのはやめなさい
 もうこれ以上
 過ちを繰り返してはなりません」
コッダ
「むっ……いくら王妃とはいえ
 それはあまりなお言葉ですな
 私がいくらお人よしでも
 限度と言うものがありますぞ」
リーザ
「私を脅すつもりですか
 ならば一思いに殺しなさい
 あなたは謀反人として、後世まで
 その名を残すことになりましょう」
コッダ
「うっ……」
リーザ
「コッダ伯爵、御用がお済みなら
 もう休ませていただけませんか
 少々、疲れましたゆえ……」

コッダ
「くっ……
 王妃め、言わせておけば……
 いっそ一思いに……」
????
「それはなりませぬぞ
 今、王妃様を害すれば
 日和見の諸侯たちも
 コッダ様に敵対いたしましょう」
「ウエルト王家は
 サザーラント将軍以来の名門
 敵に回すことは得策ではありませぬ」
コッダ
「では、どうしろというのだ」
????
「王妃の強気はマーロン伯あってのこと
 マーロンさえ亡き者になれば
 王妃も折れてまいりましょう」
コッダ
「そうだな……
 マーロンとの決戦を急がねばならん
 このままでは日和見の諸侯どもが
 裏切るかも知れぬでな……」




ェ ル ジ ェ

ラフィン
「父上、準備が整いました
 これより出発いたします」
マーロン
「まて、ラフィン
 ソラの港から連絡が入った
 サーシャ王女は無事
 こちらに向かっておられるそうだ」
ラフィン
「どういうことです?
 コッダの追手が迫っていると
 聞いていましたが……」
マーロン
「ソラの港に上陸した騎士団が
 王女を保護してくれたらしい
 数十人の少勢らしいが
 なかなか勇猛であったそうだ」
ラフィン
「騎士団が?
 まさか帝国の侵攻では……」
マーロン
「いや、青き聖竜の旗を
 掲げていたということだ」
ラフィン
「青き聖竜の旗といえば
 リーヴェの紋章……」
マーロン
「リーヴェ本家、あるいは4公国の
 騎士団ということになるが
 おそらくラゼリア公国軍であろうな
 数日前にリーヴェ最後の砦であった
 グラナダが陥落したそうだ」
ラフィン
「では、リュナン公子が手兵を連れて
 逃れてきたと言われるのですか?
 しかし、なぜ我が国へ……」
マーロン
「ラゼリア大公とロファール陛下は
 共に大陸5賢王と呼ばれた親しい間柄だ
 このたびの出兵も、陛下には
 仇討ちの気持ちがあったのだろう」
「そのラゼリア大公の子息が国を失い
 我がウエルト王国を頼ってきたのだ
 別に不思議なことではあるまい」
ラフィン
「リュナン公子といえば
 帝国の大軍を相手に戦い抜いた
 若き英雄だと言われていますが
 父上はどう思われます?」
マーロン
「まだ二十歳にもならぬ若者だ
 英雄と呼ばれるには早かろう
 民衆は、非業の死を遂げた
 英雄グラムドの姿を公子に重ね
 過大な期待を抱いておるのだろう」
ラフィン
「グラナダの若き英雄は虚像だと……」
マーロン
「おそらくな……
 だが、その騎士たちが何者であっても
 王女救出の礼は言わねばならぬ」
「ラフィン、お前は城門に出て
 彼らを迎え入れよ
 相応の礼儀は必要じゃ……」
ラフィン
「はっ、承知いたしました」
エステル
「兄上、私もご一緒していい?
 それともお邪魔かしら?」
ラフィン
「エステル、それはどういう意味だ?」
エステル
「王女とは久しぶりの再会でしょう
 二人っきりのほうがいいかなと思って」
ラフィン
「バカを言うな
 俺はウエルト王国の騎士として
 王女に忠誠を誓っている
 ただそれだけの事だ」
エステル
「ふふっ、相変わらずね
 こんなときこそ、優しい言葉の一つも
 かけてあげれば王女も喜ぶのに……」
ラフィン
「エステル
 余計なことに気を回している暇があるなら
 もっと修練に励んではどうだ」
「父上はお前が騎士になることに反対だった
 だが俺は、父上の力になりたいと言う
 お前の言葉を信じて賛成したのだ」
「俺はいずれ祖国へ帰らねばならぬ
 いつまでも、お前を
 守ってやれるわけではないのだぞ」
エステル
「私は一度だって
 守ってくれなんて頼んでないわ!」
ラフィン
「待て! エステル!」
マーロン
「ラフィン
 お前はエステルを甘やかしすぎる
 妹だとはいえ、血は繋がっておらぬのだ
 他の騎士たちの目もある、注意せよ」
ラフィン
「は……
 申し訳ありません……」




ラ の 港

サーシャ
「そうだったの……
 ではグラムドおじさまも……」
リュナン
「ああ
 ミュースのブレスに焼かれて死んだ」
「父は戦いを止めようと必死だった
 ようやく休戦の調印ができると
 喜び勇んでノルゼリアに向かったのに
 そこで帝国が復活させた
 聖竜ミュースに襲われて
 数千人の人々と共に
 一握りの灰になってしまった……」
サーシャ
「そんなこと……
 あの優しかったグラムドおじさまが……」
リュナン
「サーシャ?」
サーシャ
「……おじさまは何度もウエルトを
 訪ねてくださいました
 私には、自分の娘であるかのように
 優しくしていただいて
 最後にお会いしたときなどは
 ラゼリアに遊びに来ないかとまで
 言ってくださいました」
オイゲン
「グラムド大公はサーシャ様が可愛くて
 たまらなかったようですな」
「できることなら
 我が公国の嫁にほしいものだと
 おっしゃっておられましたが
 サーシャ様はウエルトの
 ただ一人の王位継承者ゆえ
 それもなるまいと
 ため息をついておいででした」
サーシャ
「えっ、オイゲン、本当なのですか?
 私は王位など継がないわ
 父もそんなことは望んでいなかった」
「おじさま……
 言ってくださればよかったのに……」
オイゲン
「ではサーシャ様は
 ラゼリアに来てくださいますと?」
サーシャ
「え?」
リュナン
「……オイゲン、先を急ごう」
オイゲン
「おおっ、これは失礼いたしました」




ェ ル ジ ェ

ラフィン
「サーシャ王女、お待ちしていました」
サーシャ
「ラフィン!!
 どうして迎えに来てくれなかったの
 ラフィンが迎えに来てくれると信じて
 脱出したのに、放っておくなんて酷い!」
ラフィン
「申し訳ありません
 王女脱出の知らせが入ったのは昨日
 急なことゆえ準備に手間取り
 出発が遅れました」
サーシャ
「ラフィンは私のことなんて
 どうでもいいのね
 信じていたのに酷い……」
ラフィン
「申し訳ありません……」
サーシャ
「ふふっ
 うそよ、ラフィン
 ちょっとからかってみただけ」
ラフィン
「……」
サーシャ
「あ、怒ったの?
 だってラフィンはいつも冷静なんだもの
 慌てる様子が見たかったの」
「でも、怒ったのなら謝ります
 ごめんなさい……」
オイゲン
「……サーシャ様
 よろしければご紹介願えませんかな」
サーシャ
「あ……はい……
 この方は……」
ラフィン
「ヴェルジェの領主マーロンの子
 ラフィンです」
「お話を伺う前に
 まずは館にお入りください
 父上もお待ちしております」

マーロン
「……
 なるほど、そのような事情でしたか」
「青き聖竜の軍旗と聞き
 もしやと思っておりましたが
 やはりリュナン殿でしたか
 それで当地へは、兵を募りに
 参られたわけですな」
オイゲン
「さようです
 ラゼリアはリーヴェ4公国の一つとして
 大陸でも有数の
 騎士団を擁しておりましたが
 相次ぐ戦いによってそのほとんどを失い
 今や数十名の兵士を残すのみ」
「これでは祖国奪回もままならず
 かねてより親交厚いウエルト王国に
 援助を求めて参ったのです」
マーロン
「だが、すでのご存知の通り
 我が国も内乱のさなかにあります
 ウエルト王宮は、親帝国派の宰相に
 牛耳られ、王妃の安否さえ不明です
 これでは兵をお貸しするなど
 とても不可能ですな」
リュナン
「マーロン伯爵、コッダ宰相とは
 どのような人物なのですか?」
マーロン
「国祖サザーランド家の血を引く
 名門貴族で、王都の北に広大な領地を
 持っております」
「ただ、その性格は軽薄にして残忍
 領民に過酷な税を課し、娘を奪い
 逆らうものはみな処刑するという
 有り様です」
リュナン
「そのような男を
 なぜ野放しにしておくのです
 なぜ王宮から追放できないのです?」
マーロン
「ご存知のように
 我が国は半年前のバルト戦役で
 多大な損害をこうむりました」
「出陣にあたっては
 コッダを始めとする諸侯の大半が反対し
 休戦を求める帝国との
 平和共存を望んだのですが
 邪教ガーゼルと手を組んだ帝国を
 そのまま放置すれば、やがて世界は
 破滅に向かうと国王は申されて
 王家に忠誠を誓う、心有る諸侯たちは
 みな王と共に出陣いたしました」
オイゲン
「なるほど
 それで生き残った諸侯たちは
 コッダのようなくだらぬ
 男ばかりというわけですか」
マーロン
「さよう
 恥ずかしながら、私も
 生き残った一人でありますが……」
リュナン
「王はあなたを信頼して
 留守を託されたのでしょう
 コッダの野望を
 阻止する方法はないのですか?」
マーロン
「これまで何度も諫めてまいりましたが
 彼は聞く耳を持ちませぬ
 この上は、武力をもって
 王都の解放をなすしかありませぬが
 我がヴェルジェの兵力だけでは
 それもかなわぬのです」
リュナン
「コッダの兵力はそれほど大きいと?」
マーロン
「それもありますが
 我がヴェルジェの主力騎士団は
 長男と共にバルトへ出陣し
 今残っているのは、次男ラフィン配下の
 わずかな兵士だけなのです」
「その上
 我らが身動きできぬのをよいことに
 トーラスの山賊どもが出没し
 日々、村々を襲っております
 私には彼らを守る義務があり
 この砦を空けることすら
 容易ではないのです」
リュナン
「……わかりました
 その山賊討伐は我らがいたしましょう
 しばらくは立ち上がれぬ程度に
 討伐してまいります
 その上で、ウエルト王国解放の
 ご相談をさせていただけませんか」
マーロン
「むろん私に異存はございませんが
 お願いしてもよろしいのですか?」
リュナン
「はい、お任せください!」
マーロン
「ではラフィン、お前も行くがよい
 ラゼリアの方たちだけでは
 地理も不案内であろう……」
ラフィン
「はっ……」
エステル
「父上、私もまいります!」
ラフィン
「だめだエステル
 お前は砦に残っていろ!」
マーロン
「いや……
 よかろうエステル
 騎士となったからには戦いは避けられぬ
 我が娘として恥ずかしくない戦いをせよ」
エステル
「はい、父上!」
マーロン
「リュナン殿、有能な者をあと1名
 お付けいたします
 どうぞ、こちらへ」

マーロン
「この者たちは、リュナン殿と共に
 出陣を願っております
 ただ、城の守りも必要ですので
 このうち1名だけをお連れ下さい」

リー
リュナン 「あなたは……」
リー 「伯爵様にお仕えしております
 司祭のリーでございます」
「戦いの場は不得手ではございますが
 私のような者でも
 お役に立てればと思いまして」
リュナン 「……オイゲン、どう思う?」
オイゲン 「は……」
「リー司祭殿は、治癒と攻撃の
 双方の術を修めし徳高きお方
 正直なところ、現状では
 最も頼れるお方ではないかと」
「ただ、あまり戦場にて
 ご無理をしていただくわけには
 参らぬでしょうな」

エゼキエル
リュナン 「君は、アクスナイトか」
エゼキエル 「お初にお目にかかります、リュナン様
 接近戦ならば
 このエゼキエルにお任せを!」
リュナン 「オイゲン、彼はどうだろう」
オイゲン 「斧使いであるがゆえに
 攻撃に確実さを欠きますが
 実戦経験も豊富で体力にも自信のある様子
 彼ならば即戦力として頼りにできましょう」
ナロン
リュナン 「君の名前は?」
ナロン 「は、はいっ、ナロンと申します
 騎士団に入ったばかりの見習いですが
 一生懸命がんばります
 どうか、お供させてください!」
リュナン 「オイゲン、どう思う?」
オイゲン 「ひたむきさは買えますが
 今のところ彼にはとりたてて
 優れた才能は見受けられませぬな
 ですが、もしかすると……
 もしかするとですが
 将来、何かのきっかけで優れた人材に
 大化けするやもしれませぬ」

ルカ
リュナン 「君は正規の兵士ではないようだが……」
ルカ 「……はい
 グラム北の村のルカといいます
 コッダ伯爵の圧政を逃れて
 マーロン様を頼ってきました
 名もなき一猟師ですが
 山賊討伐にはぜひお供させてください」
オイゲン 「リュナン様、我が軍の兵にはまだ
 弓に長けた者はおりません
 ただの猟師といえども
 彼のような人材は貴重でしょう」

マーロン
「そのものでよろしいですか?」

サーシャ
「リュナン様
 山賊討伐に行かれるのでしょう」
リュナン
「南の村が襲われているらしい
 急がなければ村人たちが危険なんだ」
サーシャ
「ラフィンも一緒なのね……
 リュナン様、私もご一緒させてください!」
リュナン
「だめだ、君は連れてゆけない」
サーシャ
「どうして?
 エステルだって一緒なのに……」
リュナン
「山賊討伐が終われば
 次はウエルト解放の戦いだ
 君には解放軍の盟主としての
 大きな責任がある」
「今は身体を休めて戦いに備えるべきだろう
 ケイトと一緒に
 僕たちの帰りを待っていてほしい」
サーシャ
「はい……」
ラフィン
「サーシャ王女
 公子のことなら心配はいらない
 グラナダの英雄とまで呼ばれた若者だ
 山賊程度に遅れは取るまい」
サーシャ
「でもラフィン……」
エステル
「兄上、トーラス村が危ないのに
 無駄話をしている暇はないでしょう!
 リュナン様、早く出発いたしましょう!」
リュナン
「そうだな、では出発しよう
 行くぞ、オイゲン!」




エ ル ト 王 宮

コッダ
「なんだと!
 王女を取り逃がしただと!」
????
「はっ、どうやらそのようで……」
コッダ
「くっ……
 みすみすヴェルジェに逃げ込まれるとは
 どいつもこいつも役立たずめ!」
「この上はやむをえん
 先手を打って兵をあげる!
 おい、エリッツ将軍を呼んで来い」
エリッツ
「コッダ伯爵、お呼びとか?」
コッダ
「エリッツ将軍
 マーロンがついに反旗を翻した
 王妃様は討伐せよとの仰せだ」
「貴公は騎士団を率いてヴェルジェを攻めよ
 攻略できれば貴公を
 ヴェルジェの太守としてやろう」
エリッツ
「それはまことでございますか!
 わかりました、ヴェルジェなど一撃で
 粉砕してごらんに入れます」
ライネル
「エリッツ将軍、それは無理じゃねえか」
「マーロン伯は稀代の名将だし
 息子のラフィンも強え奴だ
 模擬試合で何度か戦ったが
 一度だって勝ったためしはねえ」
「行くなら一人で行ってくれ
 俺は巻き添えはごめんだな」
エリッツ
「貴様、下級騎士の分際で何を言うか!
 宰相閣下の前で
 わしに恥をかかせるつもりか!」
ライネル
「将軍、俺たちはウエルト王国の騎士だ
 宰相の私兵じゃないんだぜ
 なんで奴のいいなりになる必要がある?」
コッダ
「おい、貴様、それはどういう意味だ
 さっきも言ったが
 わしは王妃の命令で……」
ライネル
「だったら王妃を連れてきな!
 直接聞けば信用してやらあ」
コッダ
「王妃は反逆者どもに王女を奪われて
 そのショックで寝込んでおられる
 今は誰も、王妃に近づくことはできぬのだ」
ライネル
「王妃の私室近くには
 宰相の兵士が厳重に見張っているが
 あれも病のせいか?
 俺には軟禁しているとしか見えないがな」
コッダ
「くっ……
 黙って聞いておればなんたる無礼
 貴様も反逆者の一味だな!」
「おい、この男を捕らえよ
 地下牢に放り込んでおけ!!」
ライネル
「ふんっ、ご苦労なことだな
 だが宰相、言っておくぜ」
「ウエルトの兵士は皆、ロファール王を敬い
 リーザ王妃を慕っているんだ
 最後まであんたの味方をするのは
 直属の兵士たちか
 欲に目がくらんだこのエリッツのような
 バカどもだけなんだよ
 こんなことで国が奪えると思ったら
 大間違いだぜ」
コッダ
「うぐぐ……おい、衛兵!
 こいつを直ちに処刑せよ!!」
ノートン
「はあ、罪状はなんでありましょう?」
コッダ
「そんなことはお前が適当に考えろ!
 このバカ者が!!」
ノートン
「はあ……」
コッダ
「エリッツ、わしは領地に戻る
 グラムまで護衛せよ」
エリッツ
「はっ、グラムはヴェルジェへの
 道筋ゆえかまいませぬが
 急にどうされたのです?」
コッダ
「領地からわしの兵士どもを連れてくるのだ
 ウエルト兵は信用できぬからな」
「エリッツよ、貴公も心せよ
 もし裏切れば妻子の命は無いものと思え!」
エリッツ
「……」



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